40年+αも生きてると、結婚式よりもお葬式に出ることの方が多くなる。私の祖母は信心深い人で、毎日お経を唱えていた。
宗派が違うと「あまり聞いたことないお経だなあ」ということも多くなってきて、なんも知らないのもなあ…と最近少しずつ仏教の本を読んでる。
★池上さんの解説本。
仏教の大まかな歴史、日本での現在の仏教がこうなったわけ、新興宗教のことがわかりやすく書いてある。ダライ・ラマ法王との対談も入ってる。
池上さんのお父さんはクリスチャンでお母さんは日蓮宗だそう。キリスト教を勉強したり海外に行って宗教的なことを意識するようになって「教えとして自分にしっくりするのは仏教ではないかと思うようになりました」と書かれている。
仏教は「絶対的な神様」という概念ではなく「縁起」「因果」という自然科学的な考え方がベースにある。ブッダは死後の世界についても語らなかったそう。
★ブッダってどんな人だったんだろうと思って読んだ本。
すごく読みやすかった。ブッダの少年時代から、出家、教団の変化、他教団に嵌められそうになったこと(スイートトラップ)、いろいろな弟子のエピソード。
中でも印象深かったのはアングリマーラのお話。なんか最近読んだな…と思ったら「花子とアン」の蓮様のモデル、柳原白蓮の小説「指鬘外道」の元ネタだった。
ちなみに私がよんだ白蓮のお話はこれ↓。朝ドラにできない内容が盛りだくさん。
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優秀で美少年な学生アヒンサカ(アヒンサー)は、自分の尊敬する師の妻に誘惑されるが、理性でこれを断る。断られた師の妻は「アヒンサカに乱暴された」と夫にウソの訴えをする。師は妻を信じてアヒンサカに「100人殺してその死体から指をあつめ首飾りを作れば真理を教えてやろう」と言う。青年アヒンサカはそれを信じて実行にうつす。99人の命をうばい「アングリマーラ(指の首飾り)」という名で恐れられるようになる。
100人目として自分の母親を殺そうとするところにブッダが現れ、ブッダを襲おうとする。でもブッダは神通力を使うのでアングリマーラは追いつくこともできない。そして諭される。アングリマーラは正気に戻り、ブッダの弟子になる。
アングリマーラがブッダの弟子になったという話が流れ、「一頃師を捕まえる」と王の使いがくる。が、ブッダは「私の弟子はもう殺しはしない」と引き渡さない。国王もブッダに帰衣してるので、アングリマーラは引き渡されずにすむ(というのもすごい)。
とはいえ、アングリマーラが托鉢にいくと色んな人が「人殺し!」と石を投げたり棒で叩く。ブッダは「耐えろ、罰を今うけているのだ」と諭す。
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母を殺そうとした悪人も阿羅漢(聖者)にしてしまう話なんだけど、そもそもの発端になった人たち(師やその妻)の渇望や嫉妬も興味深い。
「釈迦物語」を途中まで読んだら、手塚治虫ブッダが読みたくなって久々に再読した。
↑公式サイトで立ち読みができます。
初めて読んでから多分15年くらいは経ってるのに、十分読み応えあった。あとがきに「創作部分が多いし仏典通りじゃない」と書いてあったが、確かにオリジナルキャラは多いけれど、それほど大きく違うようでもないようだ。
手塚ブッダを通してからまた「釈迦物語」に戻ると、登場人物が漫画のキャラで思い出せるから読みやすかったし、理解もしやすかった。とにかくブッダに会う人会う人、敵対していたはずの他の教団の人たちもみんな弟子になっちゃう。
ちなみに、ひろさちやさんは手塚治虫のブッダ映画2作の歴史アドバイサーでもあった。
★タイトルはエロスとあるけどそんなにエロくない本
ブッダとその周りの女性達や尼さんのお話。 瀬戸内寂聴さんとひろさちやさんが対談形式で本当のブッダはこうじゃないのかと解説してくれてる。
中に、自分の夫を母親に寝取られて出家した美人の尼さんの話が出てきて、うわーそんなドロドロした話も仏典にあるのかと興味深い。
★法華経の現代語訳の本
中で使われてる蓮や仏像の写真が美しい。
わかりやすい日本語で書かれているんだけど、地面の下から菩薩がたくさんでてきた、みたいなことも書かれてあるので、簡単解説があったらなーと思った。法華経ってなんぞや?てところはこの本だけだとよくわからず…もう少し色々読んだらまた読んでみようかと思う。