横田基地沿いを歩く
GWのことを書く。今年は遠出はせず、主に東京・神奈川の西の方に遊びに行っていた。相模原方面、高尾山、立川、福生あたり。
福生というと村上龍の「限りなく透明に近いブルー」。高校生の頃読んでわけがわからなかった。セックス、ドラッグ、バイオレンスな小説で、おかけで福生イコール近寄ってはいけないイメージがついてしまった。でもこの小説が書かれた頃の福生と今の福生はだいぶ違うようで、危ない感じでは全くなかった。秋葉原や渋谷の方がよっぽどあやしいような気がする。
観光で来た人向けの「BASE SIDE STREET MAP」なる案内看板があった。
ミリタリーな雑貨屋さんがいっぱい。楽しい。
等身大宇宙人がいたり
兵隊さんの等身大ディスプレイがあったり。
東福生駅から500mくらい歩くと第二ゲート。濃い色全部基地。
ゲート前。
ゲートからポツポツと車が出てくる。外ナンバーじゃなくって普通の多摩ナンバーなんだ。
そしてゲート。
第二ゲートをちょと過ぎたところにあるHoopというベーグル屋さんに入った。
(上の地図に☆マークついてるとこ)
パクチーがたっぷり入ってるアボカドサンド。パンがかためで食べるの大変だけど美味しかった。
無知を晒し出すようで恥ずかしいんだけど、素朴な疑問がいろいろ湧いた。
- 車は日本で買って、私たちと同じように陸運局に行ってナンバーを取得するんだろうか。
- 軍の人はパスポート持ってるのかな?当然日本人は基地の中に勝手に入れないだろうけど、軍の車はゲートのチェックだけで自由に基地の外に行けるなら、パスポートないとおかしいような。来日する時は成田空港経由なのか。
- 基地の中は何人くらいいるんだろう。軍人さん以外に、お掃除の人やお料理の人もいるだろう。平和な日本にきてるのは、そんなに地位が低くない人なんじゃないかな。家族もいるのかな。子供がいるとしたら学校はどうなるんだ。
予想では、パスポート持ってる、空港経由で日本にきてる、だった。家族は本国じゃないかな。きっと単身赴任。
でも帰ってきて調べてみたら全く違った。
- についてはわからない。日本のナンバーだから日本の陸運局係がいるんだろうと想像。
- 日米地位協定で、アメリカの海外領土扱い。軍属の人は日本の空港経由じゃなく、この基地の飛行場で本国と行き来ができるそう。パスポートはいらない。基本的に治外法権。日本の中のアメリカで、逆に日本人が基地内に入るときにパスポートが必要。基地にいる軍人さんが日本で何かやらかしても日本ではなく軍の管轄下にあるのはこういうこと。
- 古いデータしかみつけられなかったけれど、
東京都調べによる2005年5月時点の基地関係者数は、軍人3,600人、軍属700人、家族4,500人、日本人従業員2,200人の、合計約11,000人である。
日本の防衛費がけっこうかかっているのはなんでだろうと思っていたけど、この経費は思いやり予算だから、なるほどそれはお金かかるよな、と思った。
思いやり予算、実質増へ 米に譲歩 5年で百億円規模 - 沖縄:朝日新聞デジタル
普段あんまり気に留めてなかったけど、日本は敗戦国の歴史をまだまだ負ってるんだなあと思った。朝鮮戦争のとき横田基地からB-29が飛び立っていったようだし、ベトナム戦争でも補給基地だったそうだし。16号沿いにベトナム料理屋さんがいくつかあったのはその名残りなんだろうか。
基地といえば沖縄、というイメージだけど、東京だって少し足をのばせば基地がいっぱいある。
相模原あたりを車で通った時に鉄条網のついた長〜い壁があって、これなに?と地図で調べたら「相模総合補給廠」。こっちは在日米陸軍の補給基地らしい。空、陸ときて、海軍といえば横須賀に基地あるし。神奈川の飛び地に住んでる人の訴訟もちょっと前にニュースで読んだ。
もともとは日本帝国軍の基地の跡地を米軍が使っているから、大戦中はもっと基地だらけだったんだろう。戦争はもちろんいやだけど、この米軍の存在がゼロの場合、日本はどうするべきなんだとか考えたことなかった。こんないち平民が考えたところでどうなるものでもないのだけれど。
夏になると横田基地友好祭なるものが毎年行われているようで、2016年は9月に開催予定らしい。