深く息を吐く

自省用

最近みた映画

最近みた映画。みんな古め。ネタバレあり。

 

アビス

1989年ジェームスキャメロン監督。完全版は171分。ターミネーター1のカイル・リース役のマイケル・ビーンがでてるので観た。なんでこんなすごい映画をスルーしてたんだろう…。

冷戦時代。原子力潜水艦が沈む。潜水艦には核弾頭が積んである。沈んだのはソ連の仕業じゃないかと軍が調査に来る。軍のコフィ大尉役がマイケル・ビーン。潜水艦の近くにたまたまいたって石油掘削チームの船長がエド・ハリス。軍に協力を要請される。

コフィ大尉はどんどんキレてってどんどん悪役に。T1とは全然イメージ違う。役者さんてすごいな。エド・ハリスがものすごい深海に潜るんだけど、水圧がものすごいから潜水服の中に空気があるとパリンと割れちゃうからって、酸素を含む液体が出てくる。その液体にマスクが満たされ、ちょっと苦しそうだけどこれで呼吸ができるという。これってエヴァのエントリープラグの中のLCL液じゃないか!

パニック映画かとおもいきや、ジェームスキャメロンのアバターみたいなメルヘンチックな感じもあったり、夫婦愛があったり、盛りだくさんだった。今のSF映画の映像のクオリティはないけど、T2の試作みたいなCGがでてきて楽しい。

 

 

スターリングラード
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アビスのエド・ハリスつながりで。2001年ジャン=ジャック・アノー監督。ドイツ軍vsソ連軍。スターリンの名を冠したスターリングラードが舞台。これもなぜ今まで見てなかったんだ、と思う映画。

29歳のジュード・ロウが主役。もうそれだけで価値あり…。ジュード・ロウは元羊飼いの狙撃兵ヴァシリ役。実在の人物をモデルにしている。なんでこの人はこんな戦場でもこんなに美形なんだろう…。開戦当時のドイツ軍の勢いがわかる。ソ連軍はろくに銃もない。味方の屍体から銃をとって戦うという戦場。戦争というより虐殺…。冒頭ですでに主人公の隊全滅かというところ、主人公ヴァシリの狙撃の腕前でピンチを脱する。一緒に助かったダニロフは広報部隊で、あっというまにヴァシリは英雄狙撃兵として祭り上げられる。しかし目立てば狙われる。ドイツ軍から狙撃兵を狙う狙撃兵が派遣される。それがエド・ハリス演じるケーニッヒ少佐。アビスの時より歳をとってるけど、渋くて冷たい少佐役がはまっている。

ソ連vsドイツの話なんだけど、ヒロインと友人ダニロフはユダヤ人。ユダヤvsナチスの映画でもある。ターニャは両親をドイツ兵に虐殺されていて、戦場に残ることにこだわる。少佐とヴァシリの対決は何日も何日も続く。重たい映画。この映画はあまりネタバレしないほうがいいなと思うのでこのへんでやめとく。

wikipediaによるとスターリングラード攻防戦ドイツ軍および枢軸軍の死傷者は約85万人、ソ連赤軍の死者は約120万人だそうだ。陸続きの国同士の戦争も被害半端ないな…。

 

 

 

 

あと日本のヤクザもの映画3本。チョイスは夫。

 

 BROTHER
BROTHER [DVD]

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2001年北野武監督。バイオレンス映画はあまり好きではないから北野映画は最近まで全く観たことがなかった。タランティーノほどあっけらかんとはしてないんだけど、清々しいほどのバイオレンスぶりに驚いた。あまり劇中に説明がないから話がところどころよくわかんない部分もあったけど、ときどきハッとするような綺麗な映像があるのが印象に残った。読後感がトレインスポッティングのような。うん。

 

 

その男、凶暴につき
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Brotherの後に観た。1989年北野武のデビュー作。たけしが若い。

たけし演じる主人我妻(あずま)刑事はおかしい。BROTHERの主人公もおかしいんだけど、こっちの主人公の方がよりおかしい。脇役の人たちもこわい。佐野四郎のドロッとした演技。チンピラ清弘を演じる白竜の狂気。ずーーーっとエリックサティの音楽が静かに流れてるのが印象的。この映画のほうがより暴力的で陰湿で絶望的だと思った。これも子供には見せられないな…。ラストも容赦なし。あまり好きな映画ではないけど、北野武が監督としてただものではない感じはわかった。

 

 

ミンボーの女
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 1992年伊丹十三監督。宮本信子主演。ミンボーとは民事介入暴力のこと。この映画は暴対法以前の時代。ヤクザにつけこまれるホテルヨーロッパが舞台。こんなにヤクザがいるホテルは実際あったのかわからないが、80年代90年代は今よりも暴力団が民間に介入していたようだ。ヤクザが企業に脅しをかけてくるのは漫画「課長島耕作」の中にも出てくる。初芝役員の奥さんがヤクザにたらしこめられちゃってヌード写真撮られ脅されて…みたいな話で、読んだ当時かなり衝撃を受けた。それほどひどくはないけど似たような罠に支配人がひっかかってしまう。

宮本信子が演じる民暴専門弁護士の井上まひるが、経験と頭脳でヤクザの脅しをつっぱねていく。ビクビクだった社員たちがだんだん強く立ち向かってく。絵に描いたような勧善超悪のお話なので気持ち良くみれた。宮本信子の足がきれい。