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深く息を吐く

自省用

栗本薫さんとネットのこと

book 雑談

数日前から中島梓さんの「ガン病棟のピーターラビット」を再読している。今年はもう7回忌になるんだ…。

私はグインサーガの愛読者だった。中学生のときに友達に勧められてからずっと、途中ぐだぐだの時も楽しく読んでいたので、栗本薫中島梓さんが亡くなられたときは本当にショックで悲しかった。  グイン・サーガ - Wikipedia

 

この本では膵臓ガン発覚から入院、手術、退院まで(2007年10月末〜2008年6月末)が綴られている。絶筆になった「転移」よりは、深刻ながらもまだ軽やかな感じで、まだご存命のときに出版されたので当時はそれほど深刻には読んでいなかった。それでも死のにおいはそこはかとなく感じられた。当時を思い出すと切ない本だ。

 

ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)

ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)

 

 

 

その中にネットについての記述があった。少し長いけど引用します。

本当に大事なことと、実はそうでもないこと。本当に大事な友達と、実はそうでもない人。どうしてもやりたいこと、やらなくては生きた心地のしないことと、実はやらなくても全然平気で生きてゆかれること。この二カ月の長い入院は、私に、そういう、「本当に大事なこと」をずいぶんとはっきりさせてしまったようです。

ネットからはもう手をひこう、と思いました。何を長年私は自分には全く向いていない、不特定多数の人にむかって毎日発信しては反撃をくらう、というようなことを無理矢理、恐ろしいストレスがかかりながら続けてきたのだろう。むろん沢山のかたが喜んでくれたからではある。だが、それにもまして、半分意地にもなっていたし、それに、やはりストレスのほうがはるかに大きかった。(P.134-135)

 

これまで、重箱の隅をつつくようにあら探しをする人や、むきになって私を嫌う人、私を目の敵にする人たちにまで、なんとか理解してもらおう、嫌うのをやめてもらおうとじだばたしていたから、いっそうかれらには面白かったのに違いない。でももう、どうでもいい。私の人生があと一年か二年しかなのだったら、私はそういうものにかかわりあって時間を一分でも無駄にしていることは出来ないではないか、ーーそんなことも思いました。もう、ひとのおもわくなどかかわりはない、本当に大事なことだけを、やらなくてはならないことだけをまっしぐらに、残された限りある時間でやっていかなくてはいけないのだから。(P.137-138) 

 

初めて読んだとき私はあまりネットに親しんでなかったので、この意味がよく分からなかった。栗本薫さんともあろう人がネットで言い合い? そんなにストレスたまるほど?  どんなやりとりをしてたのかは知らないし、今となっては別に知りたくもない。一読者としてはそんなネットの敵とやりあうよりも、一行でもグインを進めてほしかった、と思う。

 

なのに最近私もネットに触れる時間が増えて、なんとなく意味が分かってきた。神経がまいるようなバトルをしたことはないけど、ネットの時間泥棒的な部分はすごくよく分かる。もめごとがあるのもわかる(そしてはたで見てる分には面白いときもある)。栗本薫さんは物書きだからこそ書かずにはいられなかったのかもしれない。たかがネット、されどネット。顔の見えない誰かから反応があるのがネットのいいところでも悪いところでもある。

 

争うわけではなくとも。自分に向けて言っているわけでもないのに、すごくイラッとくるもの、文句を言いたくなるようなものにたまに出会ってしまう。そしてイヤなものほどなぜか気になってしまう。

でも気になったところでそれは自分の問題なだけで、書いた相手に伝える必要なんて全然ない。私の場合、ネットはスキマの時間を埋めるくらいで充分だ。

 

いろいろ書きたいことあるような気がするけど、もう眠いし、多分収集がつかなくなるのでここで終わります。 

 

転移 (朝日文庫)

転移 (朝日文庫)

 

 

グイン続編プロジェクトは、正篇、外伝ともに少しずつ読んでいる。新刊が知らないうちに出てて、未読が3冊もありますが…応援しています。